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2014年6月24日火曜日

太ったおっさん、二松学舎落研さんの「あおい寄席」にあらわる。・・・落語は、客を楽しませるもの・・・・落語「堀之内」

大学落研の一つ先輩の八海さんも言ってた。
「わしも・・(当時の落研部員の一人称は「わし」が多かった)・・初めてこの噺を聞いたときは、絶対頭のおかしな人の噺なんだと思ったぜ・・・どう考えても変だもんな・・・・」

 草履と下駄と片ちんばにはいて、足が短くなっちまった注射行って医者うってもらわねえとと嘆く。
 朝起きて、顔を洗おうとして箪笥を開ける。
 ざるで水をくもうとする。
 洗った顔を猫でふこうとする。
 堀之内に向おうとして両国に行く・・そのうち訳が分からなくなり・・・私の行くとこどこでしょう?と   道を聞く。
 ずいぶんと長い帯を拾おうとして・・電車の線路だと気づく。
 寺の境内で弁当をつかおうとして、自分が弁当だと思っていたものが、かみさんの腰巻に箱枕を包んだもので、それを首っ玉に結わえて東京中を歩き回ったことに気づく。
 風呂屋で自分の子のつもりで、上がったばかりの女の子を裸にする。
 湯船の中でケツをかいても感じねえ、と嘆きながら他人のケツをかく 
 ・・・・・ぼけ続ける男・・・

八海さんも持ちネタにしていた落語「堀之内」・・・・そそっかしい男が自分のそそっかしいのを直してもらおうと堀之内のお租師様にお参りにいく噺だ・・・・杉並区堀之内にある妙法寺、・・・山号寺号ってのがあったな・・・・・日圓山妙法寺・・・・・・・お祖師様・・ってえから、日蓮さんを祀ったお寺さんだ、日蓮宗は法華だからお題目は「何無妙法蓮華経・・・」となえるわけだ。・・・・落語「鰍沢」とか「甲府ぃ」とか身延山に総本山はあるんだろうけど・・・
私も、そそっかしいことこの上ないので、・・・こんなブログ始めちまう、そそっかしさだ。・・・そんでこのあいだちょっと行ってきた。

新宿からバスに乗った・・・・(噺の上では、神田あたりから出かけて道に迷い・・・・反対方向の両国経由で一遍自宅まで帰ってから・・・・・・もう一度堀之内まで・・・徒歩で。)

新宿駅西口の9番乗り場から都バス[91]で新代田駅行きに乗る(終点まで乗ってれば、にゃんにやんさんも露漫さんも、そして大福さんも昔住んでた、おっつと、風公君が今でもすんでる?新代田まで行く系統だ)・・・4月から消費税増税に伴いかな・・・都バス運賃23区内200円から210円に値上がり・・・・・青梅街道・・・・環状7号で・・・鍋屋横丁を過ぎれば・・・30分ぐらいで・・・・堀之内(妙法寺前)に着く・・・・環七渡って商店街を過ぎれば、山門前に出る・・・・ここを、かみさんの腰巻に箱枕包んだのを首っ玉に結わえつけた格好で中に入れば・・・・

りっぱな山門だ
 

本堂から中は撮影禁止





お賽銭・・お賽銭・・と、財布ごと放り込むと大変だ・・・おつりもらえません。

 昼飯にしよう、脇の方の休憩所みたいなところで
腰巻にくるんだ箱枕・・・もないので、お寺さんの隣の饅頭屋さんで買った名物だという「揚げ饅頭」を食べる。揚げたてはおいしい。

この噺は、たしか八海さんにダビングしてもらった三遊亭 円遊さんのテープで覚えた。立川談志さんが「べらべら・・べらべらしゃべる」と表現していたが、ほんとにべらべらといい感じでしゃべる。
だけど、こういう噺を不自然でなく聞かせてテンポよく笑わせられるってのがどれだけ難しいかは、聞いてるだけではわからない。自分でやってみると難しさがよくわかる。・・・・・橘家圓蔵さん・・当時の月の家円鏡さんのも面白かったっけ・・・

で、九段の靖国神社近くにある二松学舎大学の落語研究会の九段祭POPっていう文化系サークル中心の学園祭なのかな・・・その中で行われていた「あおい寄席」ってのを観てきた。浅草でやった専大・国学院・二松学舎の落研合同発表会「三文の会」でみてから気になってたのだ、

当日は雨っぷりで、お客さん少ないかなと思ったけど、小さな教室にいっぱいのお客さんが来ていた。・・・・・・・・この大学の落研は、ホームページで活動報告をしてくれるので、寄席や発表会に向けて準備や練習を重ねていく様子がわかる。・・・・・・だから、自分の子供ぐらいの年代のあんちゃんやおねえちゃん達に、がんばれよと応援したくなる。・・・っつうか、気分は、自分もまだ落研で落語にとっついてる気分なのだ。

先日、水戸で二松亭ちゃん平さんという社会人落語日本一の学校の先生の落語を聞いて・・・・この人の過ごしてきた二松学舎大学の落語研究会ってどんなふうなのか、気になって見に行ったんだけど・・・・・・後輩に一人ずつ先輩がつく徒弟制度とか先輩から受け継いだものを後輩につないでいく伝統みたいなものとか・・・後輩の距離感とか落語が好きな様子も見てとれて・・・サークルのまとまりがいいのが目について・・・・・・いい落研だなぁ・・・と思う。

落研は、落研で職業人としての落語家ではないけど、目指すものは同じ「客を楽しませたい」・・・・どうやったら喜んでもらえるか・・・・・まして、職業人でないからこそ、自分の好きな落語・・・この噺いいっすよね!・・・てのを、どうやったら伝えられるか・・震えるほど緊張しながら、一生懸命のおしゃべり・・・・行ってよかったです。盛りだくさんの冊子もいただいたし、シールやしおりのサービスも、子供だまし・・と思いながら、喜んじまった。あいにく、午前中しか見られず午後の部の顧問の教授の落語・・・「熊の皮」だったようだけど、聞きたかった。

二松学舎大学だからたぶん、落研の部員さんも教員になったりする人も多いんだろうけど、しゃれのわかる、義理も人情も人のいい加減さもわかる、いい先生になると思うぜ。・・・・仮にそんなもんにならなくてもいいお父さんや、お母さんになるんだろうなと・・・勝手に思った。

丁寧に作ってある。大の大人がシール付けてもらって喜んじまった。40号というところに歴史を感じる。

2014年6月18日水曜日

「抜け参りからぐれだして」・・「落語・・素晴らしきこの世界・・」と「あの頃の僕は・・バカすぎて」


空腹の方へのサービスです。子供に人気。チキンカレーとメロン・・先割れスプーンだ
 ほら、落語の「居残り佐平次」で最後の方で、開き直って自分の正体を話すときに
「ガキの頃から手癖が悪く、抜け参りからぐれだして・・・・碁打ちと言って寺々や・・・・」
って、白波五人男の”忠信利平”のセリフを気取って、すごむとこあるじゃないですか?・・・・
っていつも思うけど誰に対する疑問符?、誰に聞いてんだか

あの「抜け参り」 お蔭参りと言われる伊勢神宮参拝に行く集団にくっついて、勤め先・奉公先にも親にも言わず家出みたいな形の伊勢参りのことなんだそうで・・・・

私も、去年行ってきました。一人ものは、誰に相談することもないから、言ってみれば私もいわゆる「抜け参り」
昔なら江戸から片道15日かかったそうだけど・・・・今は、新幹線と近鉄、乗り継いであっという間に着く。
伊勢神宮も外宮と内宮と二か所あって、どっちか一方だけのお参りは、片参りって言って縁起が良くねえ、なんてことを言われたもんで、神社側の策略にまんまとはめられて一泊二日で両方をお参りした。



昔の実家の家にも、仏壇があって、その他に大神宮様のお宮も鎮座ましましてあったっけ。
幇間の久蔵さんじゃないから宝くじを入れといたことはなかったけど・・・だから、当たらないのか・・・でも、火事にはならない。
仏様と大神宮様って両方置いといていいのかな?と、昔不思議だったけど、仏様でも神様でもなんでも有難がって・・・・それは、それでいいや。

その、神様の親分、元締めみたいな伊勢神宮。昨年は遷宮の年にあたってたから、混んでた、混んでた。とりあえず、お札だけはいただいてきて・・・・・昔の抜け参りも、これを持って帰ればおとがめなしってことだったそうだから・・・・・行ったもん勝ち。・・・もちろん、それっきりになっちまった人も多かったんだろうけど・・・

大阪の方からの伊勢参りは、玉造から奈良街道、暗峠(くらがりとおげ)越えの伊勢参詣の旅として、上方落語「東の旅」になっている・・・・・「伊勢参宮神乃賑」(いせさんぐうかみのにぎわい)ってやつだ。

あの張り扇と小拍子ってやつでツ・パパパパ・パパンてゆう不思議なリズムをたたき出しながら”ようようとあがりましたわたくしが、初席、一番叟でございまして・と始まる「発端」。たぶん、俺が関西の生まれで関西の大学の落研に入ってたら、一番最初にこの口上部分覚えさせられたんだろうと推測、ただ、リズム感の悪い俺は、この張り扇と小拍子の叩き分けができるかどうか・・・続いて・・・
「奈良名所」・・・「野辺」(好きなフレーズなんです”その道中の陽~気なこと”。でも自分で言おうとすると語尾の関西弁のイントネーション・抑揚が難しいんだよね)
・・・「煮売屋」(地酒と言えば、村さめ、庭さめ、じきさめ、と醒めるの早~ぇ・・・そして”浅~いか深~いか?浅~いぞ、浅いぞ”!の「七度狐」・・・「軽業」~帰り道になる三十石船での船旅「三十石夢乃通路」と続くロードストーリー。伊勢神社参詣が大阪からでも片道5日かかった時代の噺なんだわね。

たぶんこの逆で、江戸落語?の方にも江戸から伊勢までの西へ向かう旅の噺も二人旅・三人旅とかあるんだろうけど行き先が箱根越えまでなのか、伊勢をめざしてるのか、その先、京都・大阪までの旅なのかよくわからん。
でも、たっぷり、どっぷり物語の世界に遊んでられる素晴らしきこの世界・・・落語はいいよね。

落研時代のメモを見る・・・・こんなの好きだったんだわね。・・・あの頃の僕は・・・

寿司屋「いらっしゃい!!」
客   「何でもいいからにぎってくれ」
寿司屋「ヘイ!」
客   「何をするんだ!」

子   「ママ。もう中学生になったからビキニ買ってよう」
母   「だめよ。・・・・・・ぼうや」

「おじさ~ん。パンツ頂戴・・・・丸首のね。」

木村先輩と飲んだとか、伝助さんと河原でしゃべった。って書いてある。ゆかたが欲しかったんだわね。初めてお手伝いしたOBの落語団体についての感想も、”先輩”って言葉によわいからなぁ・・・俺。

30年以上前の落研入部して2,3か月した頃のメモ・・先輩やOBから
教わったことは、なんでもメモしていた頃・・・漢字が少ない・誤字が多い
バカだった・・・


2014年6月4日水曜日

「あの唄は、もう唄わない」と「でかい」と落語「大仏餅」

去年もひとりで誰にも知れずに
一番うしろで見てました
あの唄もう一度聞きたくて・・
私のために作ってくれたと今も信じてるあの唄を・・・
・・・・・・・
あの唄はもう 唄わないのですか
私にとっては 思い出なのに

つきあってる女の方が口ずさんでおりました・・・「あの唄はもう唄わないのですか」
伊勢正三 作詞作曲の1975年ごろの曲、オリコン最高24位だそうであります。

シンガーソングライターの彼氏と別れたおねえちゃんが「あの・・思い出の曲は唄ってくれないの?
と、問いかける・・・甘いちゃあ、甘い歌であります。

その、お付き合いしてる女の方も街中で流れてる歌に・・・「あっ!イーグルスの「デスペラード、ならずもの」だ。・・・別れた旦那が好きだったっけ・・・・・椎名林檎もね・・・好きだったんだわ・・・・・などと思い出すことがあるようで・・・・音楽、歌は思い出と一緒に思い出したりすっからなぁ・・・・俺がいない時代の思い出には、勝てるわけがない。

俺たち落語を趣味として・・・日々、小噺なんぞを作ってるやからとしては、
「あの小噺は、もうやらないんですか?・・・・私のために作ってくれたと今も信じてる・・・あの小噺を・・・」ってえことになるわけで・・・・

「・・・・・・も~ぅ、交通事故が大変なんすから、ほんとに気を付けてくださいよ・・・・こないだも、そこの四つ角んところで・・・ボーンッとはねられた人がいたんだですけど・・・どこの誰だかわかんないんで・・・お尻、パッとめくってみたら、毛が6本生えてたから・・・・あーっ六本木(毛)の人か?・・・って住んでるとこは判ったんですけどね・・・・↓ こっちから こっち、笑いが少ない・・・こっち休め!」

この歌がはやったのが、1975年・・・この4年前、1971年の第5次落語研究会での事なんでしょう。落語「大仏餅」は、8代目桂文楽さんの最後の高座で「勉強しなおしてまいります・・・」の話で有名だけど・・・・こと桂文楽さんのことについては、いい加減なこと書くと伝助さんに怒られる・・・・

でも、そんな大事件が起こってた頃、俺は落語なんて聞いたこともなかった。それに、この「大仏餅」って噺そんなに面白い噺ではないでしょう?下げに向かって出来上がってる噺で、・・・・桂文楽さんに起こった事件がなかったら、そんなに有名にはならなかったでしょう?・・・・・・・・今回もう一度、「大仏餅」聞いてみた。・・・・・乞食(おこもさん)の、子供が、縄張り荒らしとして乱暴された盲目の父親の怪我の血止めの煙草の粉をもらいにくるところの・・・・「お願いでございまーす」のこの声のトーンは、ストーリーとは関係なく聞くものの琴線に触れるね。聞いただけで泣きそうになるのは・・・俺だけかな。
噺そのものは、大仏とは何の関係もないけど・・・・・牛久大仏を見てきた。前にお付き合いしてる人を誘ったら、絶対行かない。と断られた、でかすぎて恐いのだそうだ。なんとなくわかる気がする・・・・・
なので、一人でぶらぶらと・・・・・・・しかし、でかい。全長約120m・・・奈良の大仏が掌にのるサイズとのこと・・

「でかい」と言えば・・・一時、大学の落研技術顧問をお願いした今は亡き、三笑亭夢楽師匠は「夢楽の風流夜話」という著書があるくらい、その道のつわものという話を先輩から聞いた・・・・、「なに」がでかいといううわさもあり、落研の合宿にご参加いただいたおりには、その真偽を確かめるべく後輩の松竹亭松弥君に風呂の三助を命じて・・・・・師匠の背中を流して差し上げなさい。ついでに真偽を確かめてくるように!・・・・と命じたことは、覚えている。・・・・・しかし結果の記憶がない。・・・聞いてはいけない報告を聞いてしまったんだろうか?・・・はて、思い出せない。

さて、牛久大仏。ここは、元々、お墓・霊園だった敷地内に大仏を建立?したらしい。大仏の中にも入れて、エレベーターで胸のあたりまで登れてスリットから下をのぞくこともできる。さすがに目から鼻へ抜けることは出来ないらしい。エレベーターの3階あたりには,胎内仏の阿弥陀様がずらーっとおさめられてたし、納骨もできるんだそうだ・・・・・浄土真宗東本願寺派・・・・つっても、意味が分からんのでありがたみも判らん・・・。参道の手前のステージで、坊さんの講話があり、そのあとに「いばライガーショー」という戦隊ヒーローもののキャラクターショーをやっていた。ありがたい。もったいない。

でも、いろんな方々の思いや、埋葬されている方のご家族もいらっしゃる。
・・・・・・・・静かに手を合わせてきた。・・・・南無阿弥陀仏。