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2014年11月21日金曜日

九段下から向ヶ丘遊園・・・・ 90歳の親父が逝った。むこうでおふくろによろしく。  

九段下から二松学舎大学へ学園祭・・・・・
落語研究会・・・・「噺’」(てんではなしにならない)寄席・・・・2日間にわたり、午前・午後の2部構成で、都合四回の番組・・・・落研のホームページや部員さんのツイッターでも広報してる。・・・・・・・・相変わらずきちっとしてる。見たのは初日の午前の回。10時過ぎに入る。

教室の入口の前の受付で「番組表」と「次回の寄席発表会のチラシ」、研究誌の小冊子をいただく、寸暇を惜しんで、こうゆう冊子を作っているのがえらいなぁと思う。・・・・・・ここの大学ではなかったけど俺たちの時代の落研も対外発表の寄席を開催するときには、「かぜ」、「与太郎」といった名前をつけた冊子を作って配ったっけ。・・・・・・同じ伝統みたいなものを感じる。

大学は、学問をするところ・・・サークル活動や部活動も、その一貫として行うものだから、研究発表があって当然なのだろう・・・・こちらの落研さん今回の研究テーマは「着物」・・・それぞれが、自分の思いから「着物」にアプローチする。参考とした文献も明記してある・・・・・大学生してるなぁ。

この落研の1年生は、高座に上がるときは「浴衣」で、と決められてるそうだ・・・・
その浴衣姿の1年生・・・・
開口一番
ここの方々は、座布団に座った時点で一度、上下振って正面きってから、お辞儀をする。きちんとしたスタイルを先輩からおそわるんだろうな。

・・・・・・・・・・・・福来亭すずめさん・・・・・「垂乳根」
長屋の独り者、八五郎んところに大家さんの世話で嫁が来る・・・・・嫁と差向いでチンチロリンのポーリポリのばーくばくと飯を食う妄想に喜ぶ八五郎、・・・だけど・・・・・問題は嫁の言葉が丁寧すぎてわからねえぇ・・・・さぁ大変だっていう噺だけど。きちんとやってるし、妄想の展開も楽しそうにはじけてる。18、19歳女の子が妄想にはじけるのは、見てても楽しい。・・・・・・
さすがに、賤妾浅短(せんしょうせんたん)にあって是れ学ばざれば勤(きん)たらんと欲す・・・・・・という嫁に、「えーっ?!それは・・・勘弁して貰いてぇなぁ・・・・「金玉欲す?・・・」などというくすぐりは、入れないよね。・・・・金玉好きの私としては、残念であるが・・・・

角鷹亭ゆかりさん・・・・・・・・・・・「真田小僧」

可愛らしいお顔立ちしてるけど、顔出しの写真は自粛します。

この噺、前回なんで観たっけ?・・・・・そうだ、カイワレ寄席だ。すっかり安心してみていられる。
時間の関係か真田三代記のくだりまではやらないで、お父ぁんの留守におっ母さんがサングラスにステッキのおじさんを家にあげて・・・・・のくだりまでやって、さげてた。・・・この娘も1ねんせいなんだよなぁ・・・・・・いっぱい稽古して、お仲間に指摘してもらって練り上げたんだわね・・・・ちゃんとしてる。




で、待ってました。の部長さん
関亭いん子さん・・・・・・・・・・・・「胴切り」
「首提灯」とかのまくらで、小噺として聞いたことはあったけど・・・・・・ひとつの噺としては、あんまり
こちらも可愛い女子大生なんだけど、自粛しておきます。
聞いたことがなかった。上方の噺としては、亡くなった桂枝雀さんの持ちネタでは、知ってたけど、面白くなる噺なんだはねぇ。上半身は、歩いて動き回れないことを除けば・・・顔も手もついてるからキャラクターとしては普通と言えば普通に表現できるんだろうけど・・・・・・・・別人格になった下半身のキャラクターの造形は、面白いな。
稽古して噺を創っていく過程は、たぶん楽しかったろうなぁ・・・・自分だけの下半身キャラクター・・・・現実には、そんなもんありえないんだから、正解はない。どんなふうにでもなる・・・・・声のしぶい?小柄の可愛い女子大生さんが作り出すキャラクターは、そりゃ不思議におもしろいわけで・・・・楽しかった。
下げは、「~湯茶がぶがぶ飲むな。小便近くていけねぇ・・・・・」で、さげてた。さすがに、「あんまり女湯ばかり見てるんじゃねぇ・・・ふんどしが傷んでしょうがねえ。・・・・」なんて、女子大生は、やらないな・・・・


そんで、次が
・・・・・・・・・・・ 加酉家千好さん・・・・・「粗忽長屋」
先代の柳家小さん、人間国宝の直伝の噺について、教わったあの立川談志が噺の解釈について粗忽というよりは主観の強い男の噺であるとした有名な噺・・・・・
聞く方にとっては、面白ければ、それでいいのであるが、こんなとんでもない登場人物の振る舞いを、客が引かないように話そうと思ったら、そりゃあ難しい。
赤ぁ(赤犬)出てけ!が母ぁ(カカァ)出てけにきこえるかぁ?・・・・

男子部員さんもお顔は自粛
ポンポンとテンポよく噺を進めて・・・・なんだかわからないうちに・・・抱かれてるのは確かに俺だが抱いてる俺は・・・・・?・・・・で下げる。難しい噺だよなぁ。・・・・しかも下げで噛むと厳しいことになる。











ここで、午前の部終了


九段下から地下鉄に乗って新宿へ小田急線に乗り換えて向ヶ丘遊園・・・・・さて、懐かしの地獄の坂登りのはて・・・・・・・・・専修大学「鳳祭」・・・・・
10号館などという、俺たちの時代には、影も形も無かったりっぱな建物でやってた「鳳寄席」
大喜利と女の子二人の高座だけ見られた。
大喜利と言っても、寄席で見られるような、・・・たとえば「しゃれ相撲」・・・・・結婚式、花婿さんには花嫁さん。打掛(内掛け)で花嫁さんの勝ちとか、・・・・・普通の猿には、手長猿・・・・・うわぁー手ぇ長ーぇ(上手投げ)で手長猿の勝ち・・・・なんていう、昔からの寄席の大喜利ではなくて、テレビで吉本芸人さんなんかがやってる「IPPON]グランプリみたいな進行。着物も着てないし、座布団すらしてない。あぐらかいてる子や足、投げ出したりしてる子。回答も出されたお題に手持ちの小さなホワイトノードに答えを書く方式・・・・・・・・この、言葉遊びの運動神経は、漫才とかのものだわね・・・・・司会者の進行も、答えのボケに間髪を入れず突っ込む。漫才のそれだ・・・・・

第三回の三文の会で見たな、3月までセーラー服の高校生だったって言ってた、
夢三亭写真(パパラッチ)・・・・かぼちゃ屋

与太郎がかぼちゃの入った篭を天秤棒で持ち上げようとして「ファイト一発ーぁつ!」入れるのは良い、・・・・・・松岡修三もいいけどね・・・
すべては、噺をきちんと覚えてからにした方がいいと思うよ。基礎の部分をきちんと固めないうちに、「受けたい」だけが先走って受けるための安易なくすぐりに走ると噺がぼろぼろになるぞ。たぶん、客前でやってても楽しくないだろう。
噺の中で与太郎は、与太郎なりに一生懸命やってんだぜ・・・・与太郎のキャラクター創りを楽しみなよ、初めは、一言一句きちんと覚えて何度やっても同じにしゃべれるようになったら、松岡修三やファイト一発!を入れてった方がいい・・・・・・と、思います。

もう一人が、

可愛い女子大生・・・・後輩だし・・・遠目だし・・・・少し顔出し
夢三亭笑子(ニコリー かな?)・・・・・・饅頭怖い
大喜利の後、すぐに1年の子の落語で、会場が落語を聞く空気になってない気がする・・・・・そんな中でやるのは大変だよね。お昼も食べずにずーっと番組が続いてたのね。大きなお世話だけど、午前の部・昼の部・午後の部とか番組編成した方がいいのでは?・・・・・・・・お客に休憩とか中入とか入れると・・・・みんな帰っちゃうのかな?・・・・・・・・そこは、落語の実力と愛嬌で呼び込んで見せれば?・・・・・・
それと、これも大きなお世話だけど
座布団の縫い目、前だよ。
他大学の落研さんだって来るからね・・・・・・気を付けた方がいいよ。基本的なことだ。
 
誰かがブログで書いてた。・・・・・大学の学祭の寄席とかは、その大学の偏差値に比例する。やっぱり頭のいいやつらは面白いものをつくる。・・・・・・なめられるなよ。きちっとした部の伝統なんてなくなってしまうのは、時の流れでしかたないのかもしれないけど・・・・・いつの時代も自分たちがいいとおもったものの、完成度を高める努力とか・・・・・すげーの見せてやるぜ。っていう心意気は、あっていいんじゃないのかな・・・・・・・俺たちの時代もよかったけど・・・・今の俺たちの後輩いいぜ。と言わせていただきたい。
?……大きなお世話?・・・・・・・・・おっしゃるとおり。

まったく、個人的なことだけど・・・・・・・・ブログなんて個人的なことか・・・・・・・
親父が死んだ。90歳だった。11月25日が誕生日で91歳になるはずだった。
飼い猫を「こっち来い。こっち来い・・・」と呼び寄せて、フニャン・フニャンしっぽ振って寄ってきた猫にブホッ!と屁をかまして喜んでる爺さんだった。
俺が東京から帰省して町の公民館で生涯学習事業の余興で落語やった時、600人入るホールの隅っこで死んだおふくろさんの小さな写真を持って一緒に見てたっけ・・・・・落語なんだからさ・・・・俺は、志なかばで遺族に見守られる高校球児じゃねえっての・・・・・・
ただの、田舎の爺さんだったけど・・・・・・・大好きだった。