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2014年7月25日金曜日

「テキスト至上主義」と「人間国宝が袋をのせる。あるいは握る」と一学期末の給食

基本的にテキストがすべてだと思っている。
小説や映画や芝居や・・そして、落語も・・・・出来上がったもの・・・・作品・・・・その日の高座がすべてだと思う。

どんな、苦労、艱難辛苦のはてに出来上がったものだとしても、出来上がったものが面白くなければ、意味はない。
その背景や作成過程や環境についての意義や「よーくがんばった」、「ご苦労されたんでしょう」は、別のものだと思っている。
それは、別のところで評価されればいいものだ。・・・・作品の評価とは別のところで。

 それは、わかっているが・・・・落語は、生き物だ。その場、その場で見たものが違う。生きている人間が演じ、その時の客の反応ですっかり違ったものにもなってしまう。出来のいい噺をいい場所で聞いた時のその瞬間に感じた、いい気もちをまた経験したくて・・・寄席やホール落語に足を運ぶ。噺家さん、そのものをひっくるめて、高座は一つの作品になる。

たぶん、落語通と呼ばれる人たちや、業界の人たちには周知のことなんだろうけど・・・
「入船亭扇橋」さん。が寝たきり状態らしい。
東京かわら版(平成26年4月号)に載ってる「特集 小三治と話そう」・・・DVDブック「落語研究会 柳家小三治大全(下)」の発売を記念して1月7日に行われた柳家小三治さんの記者インタビューに出てくる。

―――――― 抜粋 ――――― 今、扇橋が寝たきりで胃瘻をしている話になって、小三治さんが見舞いに行った時に、「おーい、扇橋。俺の言う事がわかるか?返事ができないのは分かるが、・・・声は出せないだろうけど、もし俺の声が聞こえたら目を2回パチパチやって見せてくれ」と言った。そうしたら二回やったという。・・・・・・そんな病状らしい。・・・(それが1月以前だから・・・ちなみに「胃瘻(いろう)」とは、口から食物が取れないので、お腹に穴をあけてそこから管で栄養等を体にいれること、だそうだ。以前の仕事場、福祉係で得た知識)

お二人が一緒に旅を回ってたころ。
「あいつはどうにもしょうがないやつで、人が風呂場で洗っていると、後ろから来て私の頭へ袋を乗せたりするんですよ。・・・・・そしてガハハハなんて言って喜んでいたりするんですよ。・・・・・
で、そのことを思い出してね、ちょっと袋を握ってやろうかと思って、それで前をまくって、手を突っ込んで、袋を持ったんですよ。そのうちあいつね、ぽーっと赤くなったんですよ。面白いでしょこの話。すごくうれしかったですね。」

これ読んで・・・・・金玉好きの私としては(金玉好きでなくても)いい話だと思いました。
人間国宝になるという・・・・・・柳家小三治さんと・・・・扇橋さんは、すでに寝たきりだけど・・・・子どもみたいな仲の良さ・・・・こういうの読んじまうと噺家さんは、生きてることも含めて出来上がった作品なのかもしれません。
(※ 今回は、有名な落語通の方のブログで、「東京かわら版」に載ってるというのを読んで、自分も読み返して書いたものです。自分が見てきた、読んで発見したみたいに書くとずるいので、一応お断りを・・・・その方に申し訳ない。)

伝助さんもお好きだと書いてた 九代目入船亭扇橋 私も追っかけて聞いたことは、なかったですが、寄席では何度も聞いて・・・・・こういう人が出る寄席は、楽しいですよね。・・「茶の湯」とか何度も聞いたなぁ・・・・最初は、なんで、頭が揺れてるんだろうと思ったけど・・・。
もう寄席で見ることは、ないんだろうなぁ・・・・
 
カレーにスイカに包子・・・無敵の献立・・・1学期最後の給食でした。1食の食材費260円?

2014年7月21日月曜日

「第49回みな好き会」と「もうどこにもない場所」と「牛乳屋のおじさん」の牛

小中学校は一学期も、終わり。給食も終了。
若干の時間休をもらって水戸駅まで、車を走らせスーパーひたちに飛び乗る。乗り換えて新宿駅まで、仕事疲れとムシムシする暑さ、ヘロヘロと歩く。
東口に出て歌舞伎町方面。西武新宿駅を左手にみながら、呼び込みのお兄さんたちをかわして、ガードレール脇に所帯道具をひろげて、しゃがみこんで何かしゃべってるホームレスのおばちゃんを踏まないように狭い歩道をヘロヘロと歩く。
じわじわ出る汗をタオルでごしごし拭きながら、目指すは、永谷ホールFuー、

あった、あった・・・でも、看板もポスターも、はっぴ着た呼び込みも誰もいない。スーツにネクタイのあんちやん達が、入り口隅でボーッと立つて、ボソボソ話してる。まるで秘密組織の闇カジノの入り口みたいだ・・・もちろん、本物は見たことも行ったこともないけど・・・
こんなときは、落語「うどん屋」では、ないけどこちらも小声になる。・・・「こんばんわ・・・みな好き会?・・・入っていい?」

あわてて、学生さんが演題が印刷されたちらしを持ってきて、どーぞ、と案内されるカーテンの奥。既に開口一番が、しゃべってる。見渡すと、5、60人も入ればいっぱいの会場にパイプ椅子、少ない客の中、最前列にやっぱり着なれていないスーツ姿の新入部員らしいかたまりが十数人、後ろに他大学の落研らしいのが、数人。最近のお馴染みの光景。残念ながらOBと思われる方々の姿はない。対外的な広報や、ツイッターでつぶやいたりもしないしどこのネットの掲示板にも、今日の会のことのせてないみたいだから、今日ここで第49回専修大学落語研究会の「みな好き会」があるなんて誰も知らないよな・・・・・・やっぱり秘密組織の会合か・・・・。



とりあえす、椅子に座って学生さんの落語に集中、集中・・・ーーん?これは?・・・・プログラムには、「饅頭怖い」とあるが、俺が知ってる饅頭怖いじやない、・・・っうか、落語じゃない。百歩ゆずって、何でも有りが落語だとしても、ここには、落語に対するリスペクトも、「みな好き会」に、来てもらった客を、楽しませたい、という思いも見受けられない。ただ、ふざけてるように見えた。なのに、落研部員は、何人か笑ってた。これの何がおかしいの?・・・・・・・この時点で、帰ろうかと思った。

・・・まてよ、ここは、俺達が、先輩から受け継ぎ、後輩達につないだ、あの「みな好き会」じゃあないんだよ。現役さんが、今の自分達の為だけに、やってるもんだ。OBのノスタルジーなんて、関係ない場所なんだな。そんなこと、わかってて来たんじやないか。・・・来ては、いけないところだったんだと、改めて気付く・・・・少し悲しくなる。・・・・・・・そんな場所・・・もうどこにもないんだ。

次に上がった子が、「たけのこ」という噺をはじめる。途中で噺を忘れる。いいんだ忘れても、一生懸命のおしゃべりなら・・・それも、見てる部員さん達はは、ヘラヘラと笑ってみてる。仲間のアクシデントじゃねえか、ちゃんと向き合えよ。他人の見ず知らずに、落語聞いてもらってるんだぜ・・・ヘラヘラすんなよ。優しい先輩は、怒らないのか?昔の俺たちなら諸注意の後、2時間正座だ。
・・・・・・・「たけのこ」という噺を聞いたことがなかった、小咄みたいな噺だった。

で、補導出演、桂小文治師匠・・・優しいね。俺だったら、ふざけんな!って帰っちまうよ。・・・・「自分も昔学生時代、みな好き会にでて、真打(とり)をとったことがあります。今回49回目、来年は50
回・・・」学生さんに、諭すようにはなす。お楽しみの演題は、「牛ほめ」伝助さんが、言ってた「牛乳屋さんのおじさんの牛をほめる」牛ほめで、ありました。嬉しくなりました。
次に上がった子が、松風亭にぼし君、学生落語の大会、てんしき杯の、決勝に残った子なんだわね。「宿屋仇」は、長い噺だ。最後まで、持たすパワーは、人前での大きな声でのお稽古で、養うしかないよね。彼は、今年もてんしき杯参加すんのかな、てんしき杯ってのがよくわからんが・・頑張って。

13人入部の10人・・残りの3人は体調不良?
仲入りで帰らなかったのは、疲れてたから、・・・恒例の一年生紹介の口上もあった、
学部学科と高座名の自己紹介して、今は、「だじゃれを言います。」らしいけど、いきなり立ち上がって、独りコントはじめるやつもいる。さっきだじゃれいいます。っていわなかったっけ?何でも有りでいいけれど、口上の形式は守った方がカッコいいと思うんだけどおふざけ上等の学生乗りは、みな好き会をセコくするだけだぜ・・・

男の子と女の子のコンビのコント、「いろもの」とめくりが出てたけど、コンビ名くらい出してあげてもいいのに・・女の子の独り言に男の子の天使と悪魔がからむ、そんなネタ。
で、もうひとりの補導出演、立川談修師匠、名前に専修大学の「修」の字もらってるくらいだから専大落研は、大事にしてくれるようだ、有難い。とは、言え、どっかの落語家さんの奥さんが評したように、歳とってんだか若いんだか、よくわからないお顔は、相変わらず若い。
前座時代の破門から一人だけ復活して、あの立川談志さんに認められて真打になったご苦労より、素直な若者に見えるのは、得なのか損なのか・・・・・・歳とって芸人さんの趣、とか、迫力がでてくると、いい感じになる人なのかな、演題は、「一眼国」昔、林家彦六さんの正蔵さんの聴いたっけか、こんな噺もやられるんだわね。談修インザ、ダークなのね。 まくらで「私も第30回のみな好き会のとりをとった」と話してた。それから19年・・・・・もう、40代になられるのね

で、とりは、松風亭男日和(ダンディー)さん「ねずみ」昨年度の代表さんだそうで、性格良さそうで、落語も丁寧だ。口跡は、よくないけど、独特のふらがいい。時間の関係なのか、ストーリーを地のしゃべりでコンパクトにまとめてるけど、丁寧な説明だから、聞いてる方にも、よくわかる。
枕で、就活の面接で、「挫折について」話を求められた女子大生が、「交通事故にあって骨折した話」をしていた、どう考えても挫折と骨折を間違えてる。という話を笑わせようとしないで、世間話みたいにはなししてたのが、真面目そうでおもしろかった。4年になると、もう就活は、終わってる頃なんだなあ。

たぶんこんなブログ現役学生さんは観ることもないだろうから、好き勝手言わせてもらえば・・・・
いくら、OBとは言え、プロの落語家さんを呼んでの一般の方も見られる「対外発表会」の「みな好き会」でしょう。せめて、このぐらいの会場の収容人員なら、いっぱいにして、気持ちよく落語やってもらいなよ。呼ぶのが失礼にならないように。学生なら友達も多いでしょう?家族・他大学の落研。広報・無料でも招待券配りとか頑張った方がいいぜ。
4年生や幹部真打なら「みな好き会」の進行や演目や開催に責任を持った方がいいぜ、噺の出来上がってない人には、集中的に稽古してもらって、もし本番までに仕上がらないならやっていいっていう許可出すな(今は、やっていいっていう許可など真打は出さないのかな?)
「みな好き会」がつまんない身内受けのイベントにならないように、発表会前には予行練習を本番同様の進行でやって、すべての演目の完成度あげとく。できれば、老人ホームとかの慰問なんかで、身内でない一般人の前で聞いてもらえる噺に仕上げる。俺たちは先輩にそう教わった。

わかってます。現在の落研は現役の部員さんのもので・・OBのいう事なんか聞く必要はない。
現役の学生さんが自分で考え・感じてやりたいようにやる。正しい「みな好き会」なんてない。

もう、4年ぐらいみな好き会見に来てるけど、来年は50回。
 できるなら6月に「本家みな好き会」と銘打って俺達の知ってる大好きだったみな好き会のやり方で、現役のみな好き会にぶつけて、やりたいぐらいなんだけど・歳とっちまった。そんなパワーねえや。・・見に来るのも、もういいかぁ・・・来年は・・・


2014年7月17日木曜日

「桂小文治十八番創りの会」と「小夏とちび小夏」と「幽霊の辻」


夏は怪談だ。
桂小文治師匠の「十八番創りの会」で「幽霊の辻」を聞く。
小佐田定雄さんが亡くなった桂枝雀に書いた新作落語・・・学生時代に初めて聞いたときは、こんな面白い落語を書く作家さんがいるんだなぁ、と驚いた。これと「雨乞い源兵衛」なんかほんとにおもしろかった。
堀越村まで手紙を頼まれた男が、幽霊の辻(ゆうれんのつじと読むべきでしょうね)を通るにあたり、峠の茶店でばあさんに道を尋ねると、途中にある「水子池」や「首なし地蔵」や「父(てて)おい橋」、「首くくりの松」といったポイントのいわれを頼んでもいないのに聞かされて、すっかりおじけずいたところで、提灯を持たされて、茶店のばあさんもいなくなる。
・・・・・この茶店のばあさんがいいんだ、夕暮れの山道、峠の茶店の先で夕日に向かって、ふたり手を合わせる・・・「今日も一日ありがとさんでございました。明日もまたよろしゅうお願いいたします。・・・ほら、あんたも、ボーっとしとらんで、一緒に拝みなせえ。」・・・・・夕暮れが迫ってくる、・・・・・この噺は、怪談だけど、怖がらせるだけの噺ではないですよ・・・・・というのが、このくだりで見える。

婆さんから聞かされる噺は陰惨で救いがない話だけど、不思議に不快ではない。ただ怖さだけがある。この、いわれを聞いて、おっかなびっくり走り出せば、下げに向って怒涛のエンディング・・・・・

でも、元が上方の落語を東京に持ってくるにあたり、柳家権太楼さんあたりが、下げを変えたようで・・・・・「お化け屋敷だった」下げ・・・・・に直したようで・・・・俺は、枝雀さんがやってた下げの方が「余韻」とか「怪談」として好きだけどなぁ・・・・好みなんだろうけど。(具体的内容はあえて、書かないよ。ネタバレになる)

そんで、会場で俺が4年の時の1年だった「夢三亭小夏」ちゃんとその娘さん「ちび小夏ちゃん」会う(ちびって言ったって、お母さんにそっくりな女子大生さんだけど)


後姿なら問題ねーでしょう。客もよく入ってる。いい感じです
 彼女が、勤めてる有料老人ホームさんのイベントで、年に1~2回小文治師匠をお呼びして寄席を開催していることの関係で、この会にも何度か来てるとのこと。落語に関わってるのが嬉しいな、何の予告もなくバッタリ会えたのが小文治師匠の会と言うのが嬉しいな。

彼女の芸名?高座名は当時、私がつけさせてもらった。あの頃つかこうへいさんの芝居追っかけてみてたからなぁ・・・・もちろん出所は「蒲田行進曲」の小夏からとった。根岸李衣さんがやってた。「ヤス」は、平田満さんではなく柄本明さんが、「銀ちゃん」は、加藤健一さんだったか、風間杜生さんだったか・・・・後に映画化されたけど、芝居の方は、舞台装置や衣装やら極力排除したシンプルな舞台の「階段落ち」・・・・・・面白かった。・・・・・いとしいほど大好きなのに、傷つけあわないとそれを確認できない、表現できない不器用な男と男・男と女・男と女と男・・・・・

二十歳前後の田舎から出てきた工業高校から文学部入ったあんちゃんには、そんな舞台がまぶしかった。・・・・まあ、そんなあんちゃんには、都会で観る芸能は、なんでもまぶしかったんでしょうけどね。

さて、そうやって命名した「小夏」ちょっと反省してます。蒲田行進曲の「小夏」は、生きていくのが不器用な、ひねくれたでもしたたかな、可愛い女として出てきます。
比べて夢三亭の小夏ちゃんは、昔から素直でまっすぐでした。そっくりな娘さんと、落語見ながら楽しそうです。すっかり、ひねくれた落研くずれの先輩にも、くったくなく、あいさつくれて話しかけてくれます。・・・・・わかんねえけど幸せというやつは、こうゆう人のためにあるんだろうなと思った大福先輩でありました。
・・・・・もちろん、小夏ちゃんの今の何を知ってるわけでもないんですけどね。

昔、「熱海殺人事件」を落語に直してやってみたいんですよね、と言ってた。落研の後輩「バキ」が、居酒屋をやめちゃったと、小夏ちゃんに聞きました。大丈夫か。頑張って生き延びろよ。大きなお世話だけどさ・・・・・そう大福、お前が頑張れ・・・・・・はい。

第44回桂小文治十八番創りの会
平成26年7月14日(月)内幸町ホール 午後7時開演

開口一番
   古今亭今いち・・・・・・初天神
      今輔師匠のお弟子さんらしい・・・・・今輔さんって言っても、この前座さんは新作やらないのね、オーソドックスな古典なのね。

   神田きらり・・・・・・・・「山内一豊の妻」
      講談界の宮里藍と言ってた。沖縄顔なんだわね。パンパン、パパパン・・・・いい調子で  聞いちゃいました。内容はへそくりで旦那の欲しがってた馬買っただけなんだけど。気持ちいい。

   桂小文治・・・・・・・・「青菜」
      植木屋のおかみさんを化け物みたいにデフォルメしたりはしない。ほどよく。
―――――― 仲入 ―――――――――
   
コント青年団・・・・・コントレオナルドのような・・・コントユートピアのような・・・・・長いよ!真打の小文治さん楽しみなのに・・・・エンディングがぐちゃぐちゃで、そでに下がった

   桂小文治・・・・・・・・「幽霊の辻」