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2012年5月29日火曜日

青い空と弁当、思い出したぜ落研ブギー

週末は、障害者スポーツ大会・・・
土曜日に休日出勤で準備のテント張り・・・みんなでで60数張りのテントを張る・・・しばらくはテントは見たくない。
日曜日は、大会・・休日出勤2日目、良い天気、青空だ。・・・・・筋肉痛はあさってぐらいがピークで、出るな。
障害者の方は、基本的にのりが良い・・・・知的障害の方も、音楽が流れれば、踊りだすことに躊躇は無い。・・・確かに自分が思っているように動くというより・・不随意に体が動いてしまうという人もいるけど・・・・みんな笑っている。・・・楽しんでもらっているならテント張りの筋肉痛も気にならないぜ。・・・・と言うか・・・・・・いや、・・・正直・・・やっぱり体だるい。

ダウン症の子達は、顔に特徴があって・・・・すぐわかるけど、特徴的にみんな愛嬌がある・・・音楽が聞こえると、のりのりでダンスしてた・・随行の施設の職員さんは大変だろうけど・・・可愛いなぁ・・みんな。

お手玉を相手の陣地に投げ入れるゲーム・・玉がきれいだった。
大学入って・・・落研入って・・・・・先輩後輩の関係とか・・・・部の雰囲気・・・ゆるいかなぁ・・・なんて思ってると、正式入部後、数日して・・・・・・「諸注意」・・が、先輩から発せられて・・・・・「1年生、男は坊主にしてください!」・・・となる。・・・・今は、そんなこと無いんでしょうけど・・・当時はね。

入部同期・・・・というか、俺が入学したときは、すでに前年から入学してた?・・・松風亭風公くんは、ブルース男だった・・・地元青森・・・伝助さんが80年代に旅をしたと言ってた弘前で・・・ブルースバンドでギターを弾いてたとかで・・・肩まで髪を伸ばしてた・・・・・・この人は、坊主頭には、しないだろうと思ってたら・・・・・・諸注意の後、きっちり坊主頭にしてきた・・・・落語やりたいんだなぁ・・・と思った。
落語は、入部してから落語に目覚めた俺とは違って、よく知ってたから・・・・入部当時色々・・・話をした・・教わったことも多かった。

落語の枕でさぁ・・・「嘘つきを呼びにやらせる、ひながかな」・・・・(ひまだなぁ・・あの、嘘つき呼んでこいよ・・野郎のうそ話でも聞こうじゃねえか、なんて意味かな)・・・から、ぽーんと「嘘つき弥次郎」に入るなんて演出は、かっこいいよな。

「隅っこの、無口は嘘を知っている」なんてのから噺に入るなんてのもいいよなぁ・・・

面白れぇ噺が、あるんだよ・・・店の二階に「吉原」作っちまうんだよ・・・・・何それ!?・・
「二階ぞめき」なんて噺があることも風公くんに最初に教えてもらったっけ・・・

そう、ブルースの・・音楽の話も・・・・「ブギ」なんての知ってる?・・・・だからさぁ・・・中抜きの三連符・・「タッカ、タッカ、タッカ・・・」こんなフレーズ・・・・って、レスポールタイプだかのエレキギターで、弾いて見せてくれたっけ・・・・・
俺は、ブルースなんて言ったら・・・・淡谷のり子・・だし、ブギなんて言ったら・・服部良一で笠置シズ子・・・だから、・・・まあ、・・・そんなとこで。

だから、わざと・・・ブルースったって、昔、どっかで川が氾濫したとか・・・・・黒人さんが四つ角のところで車がつかまらねぇ、ってなげいてるとか・・・・・パン屋でパン粉こねるとか・・・卑猥な意味があるらしい・・・そんな、日本の民謡みたいなもんだろう・・・どーせ。
なんて、からんで・・・いや、こんな唱もあるんだよ・・・こんなの聞いたら気に入るか?・・色んなレコード聞かせてもらったっけ。・・・・・あんまり憶えてはいない。ごめん。・・俺は、淡谷のり子までだ。

青空の下、陽気に音楽にのって踊る・・・・みんなをみてて、少し思い出した。

青空の下の芝生で食べる弁当はそれなりにうまい。


2012年5月19日土曜日

「あんたにはわからない」と「28年ぶり昔噺の会」と「クールな暇つぶし」

朝から・・・朝っぱらから・・だぜ。

22歳の息子さんの暴力に悩む生活保護のお母さんからの相談を受ける。
1,000円、2,000円と金をせびる・・・・
携帯電話の利用料を払わせる・・・3万円なにがし・・・どこに電話してるんだ・・
グーでは殴らないらしいけど、髪の毛つかむ・・・蹴とばす・・・マーボー豆腐を頭からかける・・

ちょっと、不謹慎だけど、落語「天災」を思い出す。

お手紙は残らず拝見しましたが、あなたにひとりのおっ母さんがお在りと・・・
これを、あなたがうちちょうちゃくをする・・・ぶったりなさる・・・
よせよ・・・殴ったりしねえよ・・・・・こちとら蹴とばすね・・・コーンだね。
親に手を出す・・言語道断だ・・・それとなく意見をしてくれろとのことですが・・・

今回は、殴られる方からの相談・対応・・・
危ないと思ったら、110番する・・・婦人相談所に逃げ込むことも出来る・・・そうすると家には帰れなくなるから・・貴重品等いつでも持ち出せるようにまとめておく・・・乱暴された、お金せびられた状況は、きちんと記録しておく・・・ひどい乱暴で怪我したら病院いく・・・携帯写真で怪我の様子を残しておく、被害届も出す。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(でも、ほんとうは・・俺が思うのは・・・)・・・自分の子どもでしょう?・・20歳そこそこの・・・・・泣いたり、わめいたりしないで・・・きちんと本人と向かい合わないといけないんじゃないかな・・・・それを積み重ねていかないと・・・・

彼女は、いつもの決まり文句を言う・・・「あなた方は、自分のことじゃぁないから・・わからないんです!」・・・そして泣く。

そう。俺にはわからない。同情や手助けではなく・・わかってほしいのに、わからない。・・というなら・・俺にはわからないのかもしれない・・・俺は結婚したことも自分の子どもを持ったこともないもん。・・・・グーの音も出ない・・・・ぐーーー。・・・・・・でも、わかって欲しければ、泣いてちゃだめだ。何度でも何度でも立ち向かうしかないんだ。泣くなお母さん。

午後、少し休みをもらって・・・・上野へ・・・・銀座線に乗り換えて・・・田原町駅・・・少し歩いて浅草ことぶ季亭・・・・桃太郎旗を見つけて・・・少し時間が早いので・・・小学校の近くの公園で時間調整・・・街並みは静かだ・・・・浅草は三社祭・・・だぼシャツにふんどし、半尻だした白足袋のお兄さん方を何人か見る・・・・

「村上春樹」の小説「羊をめぐる冒険」には・・・

そして暇つぶしに、ビートルズがレコーディングした曲のタイトルを片端から思い出していった・・それは、73でストップして、そのまま前には進まなかった。

村上春樹ならこういうのを「クールな暇つぶし」と言うんだろうか・・・

俺の公園の暇つぶしは、立川談志が20代で書いた「現代落語論」に出てくる談志18番を片っ端から思い出してみる・・・雑俳・・・南瓜屋・・六尺棒・・らくだ・・・蜀山人・・大工調べ・・・権兵衛狸・・・三方一両損・・源平・・・天災・・・・寝床・・・それは、この辺でストップして、そのまま前には進まなかった・・・・・・うーーーーーん。クールだ。・・いや馬鹿だ。

時間になったので・・・少し駅の方に戻ってビルの2階・・・・・ことぶ季亭に
28年ぶりの「昔噺の会」を見にきたんだ。
専修大学の落語研究会OBを中心にした年1回の素人寄席・・・・昭和46年ごろからやってるというからすごい歴史だ。現役の学生時代は、よくお手伝いをさせていただいた。
・・・・・そんなわけで、先輩方はいまだに恐れ多い。今回もお忍びで・・・すみっこの方でそーっと見させていただく・・・

「道具屋」・・・・・・・・・萬家 才生
           ・・・専大時代は、初代の松風亭天邪鬼さんですね・・・与太郎が可愛い・・最初の演者なんで、お客さんの出入りもあるし・・・・まだお客さん固いし・・・やりにくそうですが・・・お雛様の首も・・・焼きの甘いのこぎりも・・・おじさんのところで仕込んでおかないで・・・現場で説明する・・持ち時間短かったのかな・・・・・「値は・・・音は・・・ズドーン」で下げてた。もう少し聞きたかった。
 
「親の顔」・・・・・・・・・深川 扇助」
            この方は・・・他大学のOBの方かな?・・・・でもこの演題立川志の輔の新作でしょう・・・・面白いし・・・お上手ですよね

「マジック」・・・・・・・・ヒロミ
           ミニスカート・・・ガータベルト・・・・目もくらむ・・・手元を見るより目線は下に行くなぁ・・・・手品~にゃ・・・の山上兄弟のお姉さん格・・プロのマジシャン

「黄金の大黒」・・・は、やめて「寝床」・・・・・いなせ家半九郎
           伝助さんも学生時代一番うまかった方と言っていた・・・初代松風亭風柳さん・・・義太夫も一節、二節・・豊富な稽古量・・・途中から入場したお客さんもいじるアドリブ・・・油揚げ、がんもどき、の製造法の言い立て・・・・すごいなぁ・・・・・サゲも、のり屋のばあさんの義太夫が当たった後のあざを押したら、ブーと出たから・・ばあさんは麻布の人だとわかった・・・すげえなぁ三平さんネタで下げる人、初めてみたぜ。

いけねぇ・・・帰りの電車の時間が・・・・茨城は遠いなあ。
中入り後に上がる予定の先輩すみません。

帰り際・・・・お帰りでしたらこちらの階段がいいですよ・・・満員の客で込み合う入り口で、優しく声をかけてくれた、落研の現役部員さん、やさしいね。頑張ってね。ありがとね。
帰りのスーパーひたちで、涼しい風に吹かれながら・・・・昔を思い出してました。




2012年5月8日火曜日

パン、パン、パンと助けてー!と明烏

今回の仕事は、統合失調症の母親と息子さんを病院に連れて行って受診させる・・・という仕事。

親子でそういう病気で・・母親の調子が悪くなると息子さんも調子が悪くなり・・・病院にも行かなくなる。問題は母親・・・最近は夜、眠らないらしい。
今回は、息子さんを病院に連れて行く、その同行をお願いする形で・・・・本命の母親を病院に受診させる作戦。

保健所職員、保健師、ケアマネージャーとボディーガードも兼ねて私が・・・・・午前中の、のどかな田舎の一軒家を訪ねる。
「こんちは~~」
庭先と縁側にご老人の夫婦・・娘さん・・・民生委員さん・・・・あれ?・・・息子さんがいない・・・
「息子さんは?」
「自転車で出かけた・・」・・・・・・えっ?・・これは、展開が違ってきたぞ。・・・本命のお母さんの様子を見ると・・・・
「私は行かない!・・・・絶対行かない!!〇×△◆@$аЯШ~(解読不能)・・・・行かないからね!!!・・・・・・」
近くで老人のお父さんが・・・「お前が行かないで、どーすんだ!!行けーーー!」と椅子に腰掛けたまま、空に向かって叫んでる。

・・・・・・・・・・・・俺は思う・・・(駄目かな?・・こりゃぁ・・)・・・・・・・・・・・

保健師さんは、あきらめない。じっくりと話を聞き・・・説得する。
「天気いいですねぇ・・・・お出かけには絶好ですよ・・・・ぼたん桜とか、遅咲きの桜、まだ見られますかね~・・・」
お母さん「絶対行かないよ!」・・・・・・・お父さん「行けって言ったら・・行けー!」

だんだん頼んであるジャンボタクシーの到着時刻が迫る。・・・と。
そこへ、息子さんが自転車で帰ってきた。・・・・・・みんなにらんで「おはようございまーす」

「あ?!・・・みなさん・・おはようございます?」
「どこ、いってたんですかぁ・・?」
「あ・・朝ごはん食べないと・・・パン買って来ました。パン!、パン!、パン・・・連呼しながら食パンを食べはじめる。)」

その間も、お母さんの説得は続く・・・「息子さん帰ってきたし・・・・そろそろ・・行きましょうか?」
「行かないったら、行かない!!〇×△◆@$аЯШ~(不明)」

保健師さんもケアマネさんも民生委員さんも・・そして私も・・・みんな、ニコニコしてしゃべってるけど・・・みんな目が笑っていない・・・奥の方に血走ったものが・・・・

病院の予約の時間が迫ってきて・・・事態は進展しない中・・・関係者がアイコンタクト・・目配せを合図に、保健師さんがお母さんの腕を両脇から、むんず!・・・とつかむと、・・・・・ちょうど到着したジャンボタクシーにズルズルと引きずられながら・・・・
「やだーーー!・・やだーー!・・・・行かない!行かないよー!」

いい天気の、うららかな田舎の風景の中に響く・・・叫び声。
「やめてくれー!!  やだ! やだ!  やだーーーーーっ!!」
つかまれた保健婦さんの腕に噛み付いて、振りほどこうとするお母さん・・・かわす保健婦さん
「やだーーーーーーー!」

ここで、思い出したのが・・・・(思い出すな!状況が違うだろう・・名人八代目の桂文楽さんごめんなさい)・・・・・落語「明烏」(あけがらす)・・・・堅物の若旦那、田所町日向屋半兵衛のせがれ時次郎を親父の半兵衛さんから頼まれてお稲荷さんのおこもりだとだまして連れ込んだ吉原・・・・ことし十八になる絶世の美人のおいらん浦里・・・・そのおいらんの部屋に無理やり送り込まれるときの・・・・・
「・・・・・・たすけてください。・・源兵衛さーーん、多助さーーーん・・・・」
このシーンが浮かんできた。・・・今回は、状況が違いすぎだけど・・・浮かんできてしまったんだからしょうがない。

さて、庭先では・・・
「息子さんも準備してくださーーーーい。病院行きますよーーーーっ。」
事態の急変に対応できない息子さんは・・
「だ・・・だ、誰かパン食べないですか?・・・・パン、パン、パン、・・・」

なんとか全員をタクシーに乗せ・・・・田舎道をガタガタはしるタクシーの後部座席の保健婦さんの手には、しっかりとむきだしのパンが握られておりました。

誰もほめてくれるわけではないけど・・・・・当事者もいつか忘れてしまうことだろうけど・・・・保健師さん達は、ほんとに一生懸命だったこと・・・俺は覚えておくことにする。
道の駅茂木の鯉のぼり