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2013年2月7日木曜日

2月はあっという間に・・「落語試験」・・落語「愛宕山」やら「ねずみ穴」やら「死神」など

インフルエンザでもらった薬・・こんなにいるか?
気がつくと、1月が終わっていた。
たぶん2月もあっという間に過ぎる・・・2月はあと1日あってもいい・・

1月にインフルエンザにかかった。・・・タミフルを飲んだ・・・副作用で、そこいらを駆け出しちまうかと思ったらそういうこともなく・・・熱は下がったけど・・・り患して5日、かつ熱が下がって2日は出勤停止を言い渡されたので・・・・
例によって、落研時代のカセットテープの整理なんぞをしていると・・・・中田ダイマル・ラケットさんの漫才のテープのB面に「落語試験」と書かれたカセットテープを発見。

そうだった。
昔、うちの大学の落語研究会は活動の一環で、たまに部員対象に落語関係の知識を増やす?確認するために「落語試験」なるペーパーテストをやったことがあった。
今なら、落語検定とか・・検定ものの・・はしりになるのかな・・
別に何かの資格がもらえるわけではなかったけど・・・なんつっても学生のやることだし・・・「研究会」と名前もついてるわけで・・・まあ、そんな活動もありかなと・・・

笠間稲荷のきつね様・・足元には油揚げ
問1
現在の落語協会・落語芸術協会・上方落語協会の会長・副会長の名前を(   )に記入せよ。
とか

問2
落語には、客から三つのお題をもらって、それを入れ込んで一つの噺を即興でつくった、いわゆる三題噺と言ったものがあるが、三遊亭円朝作といわれる「芝浜」、「鰍沢」の噺のもとになった三題を、それぞれ(    )に記入せよ。

なんてな、ペーパーテストをやってたんだけど・・・たまにはヒアリング問題もやろうぜ・・ということになり・・・
牛丼君、風公君、大福・・俺だ・・・が、世田谷代田・・京王線の線路沿いにあった露漫さんの・・露漫さん女性ね・・・そんなの知ってる・・・・か。アパートに夕方から集まった。ダブルカセットレコーダー、普通のカセットテレコ・・大量の落語のカセットテープを持ち込んで・・・・4人が彼女んちのこたつに四方から足を突っ込んで・・・試験問題の作成にとりかかったわけで。

4人であーでもねぇ・・・こーでもねぇ・・・言いながら・・・字の上手な牛丼君が記述問題の記入と回答用紙の作成を担当し・・・・風公君と大福がヒアリング問題のダビング録音・アドリブの設問説明のナレーションを担当した・・・・
テープに録音されている問題はこんな感じ・・

それでは、テープをお聞かせします。よく聞いて答えを書いてください。  

「・・・・そう唄でも唄いながら行くんだ・・・すちゃらかちゃん・・たら、すちゃらかちゃん・・と、こんな感じだ・・・・・山で白いのはサー・・うさぁぎじゃあないかさ・・・何のうさぎだんべ、こらさのさぁー・・雪のかたまりサイサイサイ・・こら・・すちゃらかちゃん・・たら、すちゃらかちゃん・・・・・踊ってやがらぁ、あいつぁー・・・いっぱちーぃ・・・」

もう一つの場面をお聞かせします・・

「前々から考えてたことがあるんだ、・・・今日は、それをやろうと思って・・支度してきた・・・お前に見せてやる・・・ほら、見ろ、どうだ・・・・小判じゃありませんか!・・・ええっ・・本物ぉ?・・・あたりめぇだよ・・・何枚あるんですぅ?・・・30枚あるよ・・・・ええっ・・あは・は・はぁー・・・大将・・どうしようてんですぅ?・・・・・・これをな、かわらけ の代わりに、こっからすーっとほぉって・・あすこに通そうてんだ・・」

賢明なる受験者諸君には、もうお分かりかと思いますが・・・・あっ!さっき言い忘れましたが・・今のが1問目です・・・サー答えを書いてください。(たぶん、この演者と演題及び下げを書け・・か、なんか言う問題だったんだろうなぁ)

で・・・次から第2問が始まります・・・
「・・・・・つらかったろうな…・出来たら…兄貴ぃ・・・許しちゃあもらえねえか・・・たけよ・・・許せや・・

・・・兄さん・・あにさん・・て、頭ぁ・・あげてもらいてぇなぁ・・・おらあ・・そんな深ぇ心持ち・・あるたぁ・・ちっともわからねえで・・・・あんときゃあ・・腹ぁ煮えくり返って・・ちくしょう・・・なんて・・なんてひどい・・・鬼・・おにぃ・・お・・お・・お兄さんだと・・・おらぁ思って・・・」

さてーぇ次の場面です・・・(この辺まで風公君・・頑張って真面目にナレーションをやってる・・・そろそろ・・限界だ・・・ふざけたい。)

「ほーれ、おめぇ!・・・・1番蔵の戸前ぇんとっから・・煙が・・・火がへぇっとる!・・・・いえ・・・いいえって!・・ほれ・・誰か上がってみろや!・・・・若い者がそいつぅ上がって・・鳶口で瓦ぁ2,3枚おこしてみるってえと・・・・ガラガラガラっ!・・・・・あぶねえぞお!ほら・・降りれーっ!!・・・ほ・ほら、言わんこっちゃねぇ!・・・・・・・・2番蔵の戸前んとっから煙が出とる・・・こいつも・・若い者が上がって・瓦ぁおこしてみるってえと・・・・ガラガラガラっ!・・・・・あぁ・・あああぁ・・ひぃー・・ひとつ・・残ってりゃぁ・・・・という言葉が終わるか終わらねぇうちに・・・火の勢いで観音開きが・・・左右にぴゃっと・・開くってえと・・・・・ガラガラガラっガラガラガラっ!・・・・見ている前で三つの蔵がねじ切れるように焼け落ちた・・・」

(風公君もう限界・・ふざけたい)・・・どーだぁ・・・おらぁ・・・でへへ・・・あぁっ?・・次の問題、いくぞ!

「なにしてんだよぉ・・・・この人は・・・・どこほっつき歩いてきたんだよ!・・・えぇ?・・どこのたくって歩いてたんだい!・・・

よせ・・この野郎・・・俺ぁ・・のたくったり・・ほっつき歩いてたわけじゃねえや・・・
じゃぁ・・どうしてたんだい・・お金の工面はついたのかよ!・・
・・・・・それが・・・お前ぇ・・・・だめなん・・で
ダメなんだじゃないよ・・・わずかばかりのものが出来ないのかい・・・ほんとに、情けないねぇ・・それが・・どこに行っても・・・そう急に・・言われてもって・・貸してやるわけにゃいかねぇ・・てんだから・・
甲斐性がないからそういうことになるんだよぉ!・・・わずかばかりのもんが!・・・お前だって男だろうぉ!・・・・男だろぅつたって・・・男だか女だか・・・おめえだって・・心当たりがあんだろう・・

(風公君気を取り直して頑張る)・・もうわかったと思うけど・・もう少し聞かすな。

「あー・・すっかりいい心持ちになっちまったなぁ・・・こうね・・ぽーっとしたところを夜風に吹かれる・・・いい心持ちだなぁ・・・・・だけどなー・・うまいことを思いついたなぁ・・・・どうしてこれに、もっと早く気が付かなかったのかなぁ・・・・・これさえあれば・・・世の中の金はみんな俺のところに集めることができるのになぁ・・

こんな感じで・・・・テープの頭出しをしちゃあ、ダビングして・・・また頭出しをしてダビング・・・アドリブの問題説明のナレーションを録音して・・・・それを繰り返した。・・・・演者は普段落語を聞いている人なら当てられるだろうけど・・・どの噺を選ぶのかをあーでもねー・・・こーでもねー・・・議論して…その後にその噺が何の噺なのかわかるフレーズのポイントを探して・・・・頭出し・ダビング・・・
ナレーション・・・・・・・と、徹夜仕事になった。

夜は深々と・・・更けてゆき・・・・牛丼君は、黙々とニコニコしながら解答用紙に問題を記入し・・・風公君と大福はつまらない洒落や物まねが、ものすごくおもしろいことに感じる徹夜症候群でハイテンションなり・・・・なんでこんなことを始めてしまったのか、やけっぱちで録音を続け・・・・・・露漫さんは、大の字で寝ていた。

夜が明けて、へろへろの4人は・・・カセットテレコとコピーした問題・解答用紙を抱えて・・・・あの大学までの長い坂道を登って・・・・・部員が集まってる何号館かの教室に行き・・・解答用紙を配りテープを流した・・・・・・

インフルエンザからの病み上がりで聞く・・・あの頃の俺たちの声は・・徹夜明けのハイテンション・・・風公君も大福もはしゃいでいる・・・声も若い。
将来への不安も・・・まよいも・・・あきらめもない・・・・大好きな落語にどっぷりつかっていたバカ学生の声は・・・・まだ熱っぽいインフルエンザにやられた体に・・・・少しの元気と・・・少しの恥かしさを思い出させた。

さて問題です。・・・・・・俺はまだ、徹夜で誰かと落語を聞いて、語って・・・・そんなことできるかなぁ

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