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2015年3月11日水曜日

くたびれたおっさん「みてくれ寄席(手×3)」に現る!と「卒業」と「春の日に遠くでひばりさんが手を振る」


千波公園の方の梅、満開にはもう少し
水戸の梅まつり、週末の観梅デーは、雨続きである。






水戸おかめ納豆のキャラクター「おかめちゃん」となりの子供はおびえている
37日の土曜日は、浅草で二松学舎大学落語研究会のみてくれ寄席を見に行った。

お昼過ぎの1245分の開場、13時開演とあったが、浅草に着いたのが13時をまわっており、急ぎ足で(おっさんは歳なので走らない)仲見世通り付近にあるらしい会場を探す。・・・・・これが、見つからない。浅草1丁目38番という番地を探すが、通りを挟んで30番地を追っていくと20番地に飛んだりしてグルグルおんなじ所をまわったりすること数十分・・見つからねえなー・・・・しょうがない観音様お参りして帰ろうかなぁ・・・と思っていると。・・・路地の入口、自転車置き場みてえなところの門口にハッピ着てデイパックってえのか小さなリュックサック背負った小柄な可愛いい娘さんが、ひとりポツンと案内表示もって立ってるのを発見。
・・・・見たことあるぞ。前の部長さんだ。

「こっちですか?」

自転車置き場んところを、元部長さんに案内してもらいながら、お店の勝手口みたいなドアから中へ入り薄暗いコンクリートの階段を上った先にあった、12,3人も入れば、いっぱいの桟敷席。(よくこういう場所を見つけてくるなぁ)の座布団の上、壁際のスペースにどっかと腰を下ろして、噺を聞こう。


もう仲入り前の一席だ

加酉家千好・・・・「写真の仇討」

初めて聞く噺・・・・上方ネタの噺かな・・・

えっ?もう下げだ・・・私が指を切りました・・・なんじゃこの下げは・・・

―――――――――― 仲入り ――――――――――――



烏家 小六・・・・「道具屋」

…ちゃんと人前で練習してるかどうかは、声が出てるかどうかでわかるよなあ

道具屋で売ってるものは、首の抜けるお雛様・・・表紙だけの本・・・サッカリンが入って甘いのこぎり・・・・小便の出来ない股引(別名タコ、今回はひょろびりではない。)・・・・二本足の燭台(後ろの煉瓦の塀を付けて購入のこと)・・・・・もしかしたら抜けるかも知れない木刀・・・・・・鉄砲

与太郎は、ぼーっとしていない。きゃっほランランしてる


欧向家峰染久・・・「だくだく」

1年生?元気だ。・・・・声も出てる。ちゃんと人前で練習してるんだなぁ。

いろいろあって、客席の熟年のおばさまから「頑張って!」という声援が飛ぶ。

演者も客席も裏方スタッフも一生懸命。パンフレット見ると長野県の出身・・・微妙に不思議なイントネーションで話す江戸っ子が威勢よくたたみ掛けて「だくだくだくっ
と・・・・」下げまで突っ走る。








一本家喜と利・・・・「大山詣り」

群衆劇というか、いろんな登場人物が、入れ替わり立ち代り登場してしゃべるから、きちんとキャラクター作っておかないと誰がしゃべってるんだかわからなくなる。難しい。場面もたくさんあるし。

昔は講っていうのか、お金積み立てて旅費作って毎年大山詣りしてたんだわね。町内会の旅行みたいなもんなんだろうけど、山岳信仰、山に霊的なものを感じての信仰心による旅だから、酒飲んだら暴れるようなやつを連れてくまとめ役の先達さんは、大変だ長屋のかみさん方、みんな瀬戸内寂聴さんみたいな頭んなって・・・・来年もまた大山詣りすんのかな。



大学の落研はたった4年間だ。5年、6年と居続けることもあるだろうけど、それも何年後かには卒業することになる。たぶん学生でいられる最後の4年間・・二十歳前後のこの4年間が、俺はとてもいとおしい。


今は、就活3年生は3月頃から始まるらしいが、インターンシップとかはもっと前にやったりすっから、現実には早い時期に就職活動は始まってんだろう。今年の学生落語日本一、策伝大賞とった大学2年生の福豆さんという女子大生も「12月までは落語やります・・・・・」とつぶやいてたから、その辺が限界なんだろうな・・・・

好きな落語のことを考えていられる時間は、限られる、しばらくは就職活動に専念しないといけない期間も出てくる・・・気が付けば、卒業が目前、「追ん出し寄席」とか「卒業高座」とかやって幸せな時間はお終い。地元に戻って就職したり、新しい場所で「社会人」(社会人って何だよ。・・・・・そーか、大学生は社会の人ではないのか・・・)になる。
この、油断できない世の中から金を稼いで、結婚したりして家族を作り、いろんなものを背負いながら「生活」ってやつを続けていくことになる。
落語のことなんて忘れるさ・・・・・春風亭昇太さんがどんな新作をやろうが・・・・志ん朝、談志が亡くなろうが・・・立川志の輔さんが今年のパルコで何をやろうが・・・・落研OBの立川談修さんが真打になろうが、・・・桂小文治さんが十八番創りの会でどんなネタおろしをしようが・・・・・・・日々の生活に追われて興味なんて無くなってくんだろうな・・・・・・・・
でも、時々思い出すんだ。あのドキドキして迎えた対外発表会の日を・・・・、「みな好き会」や「専大寄席」、「落語長屋」や「3年の会」、初めて会った人達の前でやったあの落語・・・俺の落語で他人が笑う。「そうっすよね、この落語のここ、いいっすよね。」・・・合宿の部員の前でやった、あの落語。・・・・頭、真っ白になって噺の途中で絶句した、あのシーンとした高座で流した、いやーな汗。・・・・・なんでか懐かしく思い出す。




「みてくれ寄席」がはねた後は、例によって入口で部員さんが見送ってくれる。ありがとうございました。・・・・・・こちらこそ楽しい時間をありがとう。残った落研の時間を楽しんでね。門口まで歩いてきて振り向いたら部員さんが、元気よく手を振ってくれていた。













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